そういえば……

この間、仕事で渋谷に行ってきました。
渋谷には僕の通っていた大学があり、それなりに詳しい場所です。

で、ふと昔のことを思い出しました。
それは、
大学時代に付き合っていた黒く長い髪とは対照的に肌は雪のように白い彼女のこと、
というような艶のある話でなりませんし、そんなものは最初から存在していませんしね。

思い出したのは、書く文字はすべて旧字、という哲学科の変人K君のことです。

なんで法学部の僕がK君と知り合いだったかというと、
2人ともアニメーション研究会に所属していたから、
という今にして思うと2人にとって痛々しい話になるのですが。

で、まあそのK君と、ある日「一緒にサークルに行こう」ということになって、渋谷で待ち合わせをしました。

僕が提案した場所は「人が少なそうな渋谷駅交番の前」でした。
ハチ公やモヤイ像の前では人が多いので、少しずれた場所を指定したわけです。

で、当日、僕は渋谷駅前にある交番でぼーっと待っていました。
しかし、待てども待てども来やしません。

30分くらい経って、いい加減待ちきれず、大学に向かうとサークルの部室には、すでにK君がいました。

「おまえ何で来なかったんだよ！」
と言おうとしたら、K君に先を越されました。

「何で君は来なかったのかね？
僕はずっと渋谷警察署の前で待っていたのだよ？
あの周りをぐるぐると回っていたから、警察官に不審人物かと思われて、じろじろ見られたから、さっさとここに来てしまったよ」

どうやら彼は僕の指定した警察施設を勘違いした模様です。
そりゃ確かに人はいないでしょうけどね、
普通、警察署の前で待ち合わせすると思うか？
そんなくだらないことで、この後K君と口論になりました。

そんなことを渋谷警察署を見て、思い出したわけです。